MCU入門 第2回 MCUの接続性について①
– 多地点接続をする方法の違いについて

2010年4月掲載

「多地点接続」とひとくちにいっても、方法は様々です。

テレビ会議端末を利用するタイプ(H.320/H.323/SIPなど)
~誰とでも接続できるように、みんなで話す言葉を決める「標準化」の方法~

たとえばFAXで、メーカーが違うから送受信ができない、ということになったら不便ですよね?
それと同じで、業界標準に準拠すれば、メーカーが違っても接続ができるようにしよう、という考え方で作られたテレビ会議端末がこれにあたります。

ISDNではH.320、IPではH.323やSIPの「標準準拠」と記載されていることがほとんどです。
しかしこの場合、H.323にしか対応していない端末は、SIPにしか対応していない端末と接続することはできません。
これを接続する方法については、後述します。

しかし、機械は人がつくったものなので、まれに「相性」としか言いようのない接続不具合が起こることがあります。
よくあるのは、メーカーが違ったり、購入時期が違う端末同士だと接続できない、というパターン。
通信を行うときは、以下のような情報を機械がお互いに交換して、接続に利用するものを自動的に決めることがほとんどです。

  • 異通信プロトコル通信:H.323 / SIP* *この識別は、システム構築時の設定により行われる
  • 異速度通信:384kbps / 1Mbps
  • 異映像プロトコル通信:H.261、H.263、H.264など
  • 異解像度通信:SD / HD
  • 異フレームレート通信:15fps、30fps

バージョンなどによっては、この情報が欠落していて、「あ、わかんないことを言われているので、つなげるの止めます」という場合があるのです。
MCUは、経験的に、多くのメーカーや販売時期に差がある端末とも接続できるように設計されている場合が多いので、端末の組み合わせによっては、1対1で接続できなくても、MCUを介すると接続できるようになることがあります。

テレビ会議端末専用機を利用するタイプ

独自プロトコルを利用するタイプ(Web会議に多い)
~自分の友達とだけなど接続できる範囲をしぼることで、接続パターンを少なくするPC / Web会議~

PCのソフトウェアで行うタイプは、専用機タイプとは別に、「別のものと接続するなら、それに対応したソフトウェアをインストールして使えばいいね」という前提で作られています。

端末ソフトウェアを導入したPC同士が直接接続することは、通常ありません。1対1接続でも、多地点接続でも、必ずサーバーに接続をします。
この方式であれば、サーバーと接続できるクライアントソフトウェアを配れば接続できてしまいますから、自社以外のサーバーと接続することを考えなくて済みます。仮に今、私のPCがAのシステムにつながっていたとしても、Bに接続するときはB用のソフトをPCにインストールして使えばよいのです。このため、Aというシステムに対応したソフトウェアは、別の会社から出ているBというシステムとは互換性をもっていないのが普通です。
たとえばPCだけで会議をしている場合にはこれでOKですが、専用機と、あるいは携帯電話と接続したいなど、接続範囲を拡大しようとすると、かなり難しいものがあります。

Web会議に多い独自プロトコルを利用するタイプ

このように、接続のパターンには一長一短あります。