MCU入門 第2回 MCUの接続性について④
– 技術コラム:テレビ会議のパフォーマンス UDP型、TCP型

2010年4月掲載

TCPとUDPの違いについて

技術的にいうと、テレビ会議には、UDP型とTCP型の2通りあります。
これを利用者視点で考えると、以下の2つのように分類できます。

  • ハイパフォーマンス型=UDP型 (低遅延高解像度 : テレビ会議端末の多く : H.323 / SIP)
  • ユビキタス型=TCP型 (低帯域低PCスペック : Web会議の多く : 独自)

テレプレゼンスのように、「必要なスペックは高いが、遠く離れた場所にいる相手があたかもテーブルを挟んで向かいにいるような」という場合は、UDP型を選ぶとよいでしょう。あるいは「相手の映像や音声はそんなに高精細でもないが、必要なスペックが低いのが魅力」という場合は、TCP型を選ぶとよいでしょう。

  UDP型 TCP型
音質・画質 高い 低い
解像度 高い 低い
使用帯域 広い 狭い
必要端末性能 高い 低い
FW透過性

この違いは、映像や音声の伝送を、UDP / IPで行うか、TCP / IPで行うかの違いで生じます。
TCP / IPは「手間がかかるが正確」な伝送方法で、UDP / IPは「正確とは限らないが、手間がかからない」伝送方法です。
この特徴がゆえに、上記の表のような違いがでてきます。

TCP / IP

Web会議でよく用いられるTCP / IPは、データが相手に届いたかどうかをいちいち確認します。このため、ネットワークに問題があったなどの理由でデータの一部が欠損したとき、相手が送信元にデータの再送依頼をします。輻輳制御も行うので、ネットワークの混雑具合によって送信のデータを増やしたり減らしたりします。このため一度表示されれば画面のエラーやノイズが少ない代わりに、会議としてのリアルタイム性が損なわれることがあるプロトコルです。しかし、NAT配下の端末とも接続が行いやすいなど、接続性についての優位性が高くなります。

TCP/IPしくみ図

UDP / IP

H.323 / SIPで用いられるUDP / IPは、データが相手に届いたかどうかを確認せずに送りっぱなしにします。テレビ会議のように大量のデータを相手に送りつけるのに最適です。ネットワークに問題があったなどの理由でデータの一部が欠損したとき、画面の一部にエラーやノイズが出ることがありますが、会議としてのリアルタイム性を優先するようにできているプロトコルです。

UDP/IPしくみ図

TCP / UDP混在型

各々の特長を活かすために、音質画質優先区間はUDP型、接続性優先区間はTCP型で行うタイプです。途中に、UDP⇔TCPの変換が入るので、論理的には処理遅延が生じ、システムが複雑になります。

TCP/UDP混在型しくみ図