MCU入門 第8回 テレビ会議サーバの所有と利用の違いについて④
– サーバー利用型と所有型、どちらがいいの?

2011年7月掲載

1.サーバー利用型のメリットとデメリット

メリット:使い始めやすい

すでに用意してあるサービスを月額で買うことになります。

このため、一からシステム構築する必要がないので、申し込みから使い始めるまで時間がかかりません。 また、サービスを乗り換えたいとき、最低利用期間さえクリアすれば、いつでも乗り換えることができます。 初年度だけのコストを比べると、所有型よりもコストがかかりません。 サーバー周りの運用コストは、月額利用料に転化されていますので自社で運用するよりも、共用している分、一人あたりの負担額は小さくなります。

以上の要因から、使い始めやすいと言えます。
今までにテレビ会議を利用したことがなく、まずは試してみたい、ということであれば、サーバー利用型のほうがメリットが大きいでしょう。

デメリット:利用頻度が高いと所有型よりコスト高の可能性

使い始めから使い終わりまでを数年の期間で考えると、利用頻度が高い場合はかえってコストが高くなることがあります。
これは、使用するIDの数、同時接続数などのパラメーターに依存してきます。

また、共有型なので利用したいときに利用できない可能性があります。
ASP/Saas事業者は、全ユーザーが同時に接続してきてもサービスが提供し続けられるほどのサーバーリソースを用意していない場合があります。

これは、電話で置き換えると実感しやすいと思います。
花火大会などの混雑時、地震、津波などの災害時に、その場所に電話をしようとしても「ただいま電話が混み合っていますので、しばらくたってからおかけ直しください」というアナウンスをお聞きになったことはありませんか?
これは、混雑したことでサーバーに過剰な負荷がかかって、予想できない不具合が生じることがないようにする処置です。
これと同じ状態になる可能性がありますから、共用型サーバーの場合、利用したいときに利用できない場合がでてくるのです。

2.サーバー所有型のメリットとデメリット

メリット:いつでも必ず利用できる

自社で利用するサーバー能力を決めてシステム構築しますから、利用したいときには必ず利用できます。
ネットワークも同じく、自分で道路の広さ、品質を決めて構築できますから、すべてコントロール配下に置けます。
トラブルが起こったとしても、切り分けがしやすいです。

また、朝から晩までテレビ会議をガンガン利用するならば、トータルコストは安くなります。
レンタカーを借りるのと、クルマを買うのと、どちらが得か、というのと似ていますね。

デメリット①:初年度のコストが高い

初年度は、サーバーの購入費(製品代金、設置費など)がイニシャルコストとして発生します。
次年度以降は、保守費と回線費だけになります。
トータルコストで考えれば安い場合でも、どうしても初年度はコストがかかります。

デメリット②:気軽に他に切り替えることが難しい

一度購入してしまえば、数年は使い続けることが必要になります。このため、慎重に選ぶ必要があります。
慎重になるということは、利用を決めてから、選択、所有するまでの時間がかかるということでもあります。

デメリット③:一度購入したサーバーの能力は、勝手には上がらない

ASP/Saasの場合は、多くの場合複数のサーバーを同時に動かしています。
このため、段階的に古いサーバーを新しいサーバーに切り替えることで、能力を上げていくことができます。
所有した場合は、購入したときのハードウェア能力は上がりません。必要なソフトウェアアップデートを施すことで、機能の追加や能力の向上の利益を受けることができます。ここは、保守契約にも依ります。

3.では、結局どちらがいいの?

大まかには、テレビ会議で利用する映像の解像度が高くなくてよい、まずはトライアルをしてみたい、という場合はASP/Saas。
HDでテレビ会議を行いたい、運用、ネットワークについては、自社でコントロール・モニタリングをしたいという場合は、所有型のほうをお勧めします。
また、ここでは触れていませんが、テレビ会議のサーバーを自社の他用途サーバーと連携させる場合は、サーバー所有型でないと連携処理ができません。(たとえば、LDAP連携などなど)

細かいところは、ユーザーの利用形態と、その優先順位のバランスによって変わってきますから、ご疑問の点がありましたら、弊社までお問い合せください。

さて次回は、様々な場所から接続をする方法、「NAT/Firewall トラバーサル」についてお話しします。